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66年前の薬師寺の屋根瓦が里帰り

 昭和26年に奈良の薬師寺の東塔の改修にあたり、長野県の生徒が修学旅行で多く訪れたり、法隆寺金堂の中心柱に木曽のヒノキが使われていたり、いくつかの縁から、本県が信濃教育会の呼び掛けにより、修補瓦の募金の先駆けとなった。本校も当時のおそらく生徒たちが募金を募り、修補瓦を奉納したものであろう。その頃の生徒は今は82歳から85歳くらいかと思う。この度の東塔の全面改修にあたり、当時の修補瓦を取り外し、再利用できないものについて、多くの方々のご努力により、瓦に書かれた学校へ里帰りすることとなった。
 本日、長野市の信濃教育会にて、「薬師寺東塔『縁(えにし)の瓦』里帰り式」が行われた。薬師寺の山田法胤管主と松久保伽秀執事もご出席され、長野県の小中高に126枚の瓦が手渡された。本校の瓦は2枚見つかっており、1枚はこの度里帰りしたが、もう一枚は、今回の改修でも再利用されるとのこと。
 60余年前の善意の募金。今の坂高生にも、そうした先輩方の心が脈々と受け継がれていることを感じる。